【対象地域がわかる】地域雇用開発助成金の申請時に知っておきたい基本情報

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「新天地で事業を始める予定だけど、費用がかかる...」 「地方なので従業員を雇用できるか不安...」 上記のような悩みの解決に繋がる「地域雇用調整助成金」を活用しませんか?本記事では、申請するための条件はもちろん、申請するメリットや注意点などを解説します。 対象地域は限られるものの、合計100万円以上の受給額になることも多い助成金です。「対象地域と知らずに受給を逃してしまった...」とならないように、まずは対象地域かどうかを見ていきましょう。

目次[開く]

【まずは知りたい!】地域雇用開発助成金が使える対象地域

地域雇用開発助成金は、前提として使用できるエリア(地域区分)が限られています。市区町村で指定されており、大きく以下の3つの地域に分かれます。

  • 同意雇用開発促進地域
  • 過疎等雇用改善地域
  • 特定有人国境離島地域等

それぞれ対象になり得る都道府県については色付けしております。

※こちらはあくまでも、対象の市区町村が含まれる都道府県の色付けです。色付きの都道府県内でも対象の市区町村でなければ活用できないためご注意ください

細かい市区町村については記事の最後にまとめて紹介しておりますので、そちらをご覧ください。今すぐに確認したい方は以下のリンクからご覧いただけます。

地域雇用開発助成金の対象地域を確認してみる

そもそも地域雇用開発助成金とは?何をしたら申請可能?

地域雇用開発助成金とは、特定の地域で雇用を生み出す時に申請可能な助成金です。新しく事業を始める時だけでなく、既存の事業を拡大し、雇用を生み出す際にも申請できます。

ただし、前提条件として以下の内容を全て満たしている必要があるためご注意ください。

  • 設置する事業所の雇用保険適用事業主である
  • ハローワーク等から従業員を雇い入れる(自社サイト等経由での求人応募でない)
  • 申請日の前日から過去1年前までの間に労働関係法令の違反をしていない
  • 助成金で不正受給をしていない
  • 労働保険料を滞納していない

など

 

コースは2つあり、対象地域で申請可能な「地域雇用開発コース」と、沖縄県のみで申請可能な「沖縄若年者雇用促進コース」があります。

沖縄若年者雇用促進コースは、地域雇用開発コースの条件を満たしたうえで申請できる沖縄県限定のコースです。

事業を行う地域が沖縄県以外であれば、地域雇用開発コースのみの活用になりますので、まずは地域雇用開発コースの条件を見ていきましょう。

1.地域雇用開発コース

地域雇用開発コースは、地域雇用開発助成金のメインとなるコースです。事前に計画を提出し、完了日までの間に設備投資や雇用を行いながら、対象経費の総額を算出していきます。

最大3回の受給が可能で、1回目と2〜3回目では受給条件が異なります。

1回目の条件は、以下の2点です。

  • 雇用拡大のための取り組み費用が300万円以上
  • 3名以上の従業員を、ハローワーク等の紹介により雇い入れる

 

基本的には中途採用を前提としており、新卒社員については雇用従業員者数の1/3以下である場合のみ対象人数に算入できます。

対象になる経費は大きく「工事費」「購入費」「賃借費」に分けられ、単価が20万円以上のものや年間での支払合計額が20万円を超えるリース費用などです。対象経費の詳細については、後ほど詳しく解説します。

従業員については、雇い入れた当初から、事業を行う地域に住んでおり、雇用保険の被保険者になる必要があるためご注意ください。

受給できる金額は対象となる経費の合計額と、雇い入れる従業員の数により変動します。具体的な受給金額については、以下の表をご覧ください。

 

対象労働者の増加人数

設置・設備費用

3~4人

5~9人

10~19人

20人以上

300万円~
1,000万円未満

75万円
(50万円)
120万円
(80万円)
225万円
(150万円)
450万円
(300万円)

1,000万円~
3,000万円未満

90万円
(120万円)
150万円
(100万円)
300万円
(200万円)
600万円
(400万円)

3,000万円~
5,000万円未満

135万円
(180万円)
225万円
(150万円)
450万円
(300万円)
900万円
(600万円)

5,000万円以上

180万円
(240万円)
300万円
(200万円)
600万円
(400万円)
1,200万円
(800万円)

※1 ( )は中小企業以外の初回~3回目の支給額および、中小企業の2~3回目の申請時の支給額
※2 創業の場合は最低人数が2人かつ、初回のみ支給額が( )内の2倍の金額

2.沖縄若年者雇用促進コース

沖縄若年者雇用促進コースは、その名の通り沖縄県限定のコースです。地域雇用開発コースの受給に加えて、従業員の賃金についても一部助成金を受け取れます。

沖縄県内で事業所の設置・整備を行い、県内に居住する35歳未満の従業員を雇い入れる際に申請可能です。

ただし、事前に計画書を提出して沖縄県の労働局長に「雇用開発または雇用失業情勢の改善」に繋がる計画だと認められる必要があります。

沖縄若年者雇用促進コースでは、受給金額がやや特殊です。固定の金額ではなく、従業員に支払った金額の一定割合が助成されます。割合は以下の表の通りに決定されます。

採用者の種別中小企業中小企業以外
35歳未満の中途採用者1/3(約33%)1/4(25%)
新卒採用者1/3(約33%)なし

※1 一人につき年間120万円が上限
※2 新卒採用者には、沖縄に居住していた者で、学業のために一時的に県外に居住していた者も含みます。

沖縄若年者雇用促進コースは原則、1年間の受給で、6ヶ月ごとに合計2回受給できます。さらに、優良事業主(労働者の定着状況が良好な事業主)と認められた場合は2年間(合計4回)受給が可能です。

また、優良事業主で追加される第3期・第4期は助成率も以下のようにアップします。

【第3期・第4期の助成割合】

中小企業中小企業以外
1/2(50%)1/3(33%)

※第1期・第2期は優良事業主であっても通常の割合です

地域雇用開発コースで事業所に関する費用を、沖縄若年者雇用促進コースで従業員の賃金を受給できるため、費用をおさえながら事業を継続できます。

地域雇用開発助成金の対象になる3種類の経費

地域雇用開発助成金では、以下の3種類の経費が対象になります。

  1. 工事費
  2. 購入費
  3. 賃借費

 

それぞれの費用について、単価や契約が20万円以上かつ、合計費用が300万円以上になる場合に申請可能です。また、算定金額は全て消費税込みで計算します。

例えば、工事をA社に依頼し、200万円の工事費用になり、B社での機械のリース料が契約期間内で100万円になった場合は合計300万円以上になるため地域雇用開発コースに申請可能です。

ただし、細かい部分で対象外になる経費もありますので、それぞれ見ていきましょう。

1.工事費

工事費は主に不動産の工事に関する費用です。事業所や店舗などの新設、増設、内装の工事費用が対象になります。

ただし、不動産登記の手数料や、申請者以外の名義で登記される場合は対象外です。

また、厨房設備や浴槽、トイレなど施設への取り付け工事が必要なものは工事費用に含まれます。反対に、机や棚、作業台など取り付けの必要が無いものは購入費になりますのでご注意ください。

2.購入費

購入費は不動産や、設備を購入する際の費用です。具体的には、以下のような経費が対象になります。

設備の購入では、単体の価格を参照することにご注意ください。1社からの請求が20万円以上だったとしても、単価で20万円未満のものは対象外になります。

不動産の購入では、建物そのものの費用しか計上できません。土地の費用や仲介手数料、不動産登記の手数料は対象外になるためご注意ください。

3.賃借費

賃借費は事務所・店舗などの不動産や機械などを借りる(リース含む)際の費用です。

不動産に関する費用では、テナント料はもちろん、事業に必要な車を購入した場合の駐車場料も対象になります。リースに関する費用では、運搬費用や取り付け費用も含まれます。

費用については、契約期間が1年以上かつ、更新が見込まれるものは契約期間内の合計金額が20万円を超えているかで判断します。

ただし、以下のような費用は対象外になるためご注意ください。

  • 契約期間内の支払額が20万円未満のもの
  • 保証金
  • 土地賃借料
  • 仲介手数料
  • 保守管理費
  • 敷金・礼金・建設協力金
  • 賃貸契約の更新が見込まれないもの

地域雇用開発助成金にある4つの「特例措置」

地域雇用開発助成金には、特例措置が用意されています。特例措置は、通常の地域雇用開発コースとは別に申請できる仕組みで、対象となる事業主が異なります。

  1. 同意雇用開発促進地域における大規模雇用開発を行う事業主に対する特例
  2. 地域活性化雇用創造プロジェクト参加事業主に対する特例 
  3. 地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)寄附事業主に対する特例
  4. 令和6年能登半島地震に伴う特例

 

それぞれ条件が異なるため、詳しく見ていきましょう。

1.同意雇用開発促進地域における大規模雇用開発を行う事業主に対する特例

この特例は事業が大規模かつ、多くの従業員を雇い入れる予定がある時に申請できる特例です。

条件は以下の3点を全て満たすことです。

  1. 同意雇用開発促進地域内における雇用機会の増大に関する大規模雇用開発計画を作成し、厚生労働大臣の認定を受けている
  2. 計画で定める雇用開発期間(最大2年間)内に、50億円以上の設置費用をかけて新たに事業所を設置する
  3. 当該地域に居住する求職者等を雇用保険被保険者として100人以上雇い入れる

 

通常のコースでは300万円以上だった経費が50億円以上になり、従業員の増加数も100人以上なため、利用できる事業者は限られます。

その分受給金額も大きく、以下の通りです。

設置・設備費用

対象労働者の増加人数

100人~200人~
50億円以上1億円2億円

2.地域活性化雇用創造プロジェクト参加事業主に対する特例 

地域活性化雇用創造プロジェクトを実施する事業主を対象としたコースです。従業員を無期雇用かつフルタイム契約で雇い入れる時に申請できます。

地域活性化雇用創造プロジェクトとは、コンテスト形式で選ばれた事業の中から、都道府県が主となって行うと決めたプロジェクトのことです。

この特例は、以下の表の通りに支給されます。

 

対象労働者の増加人数

設置・設備費用

3~4人

5~9人

10~19人

20人以上

300万円~
1,000万円未満

50万円80万円150万円300万円

1,000万円~
3,000万円未満

60万円100万円200万円400万円

3,000万円~
5,000万円未満

90万円150万円300万円600万円

5,000万円以上

120万円200万円400万円800万円

※創業の場合は最低人数が2人

地域雇用開発コースと比べると、中小企業への上乗せがありません。その代わり、雇用する従業員1人につき50万円が上乗せ(初回のみかつ、上限20人)されます。つまり、20人の雇用を行うと最低でも1,300万円の受給が可能です。

3.地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)寄附事業主に対する特例

この特例は、企業版のふるさと納税を行った事業主を対象としたコースです。まち・ひと・しごと創生寄附活動事業が行われる地方公共団体の区域内に事業所を設置・整備したうえで従業員を雇い入れた際に申請できます。

受給金額は地域雇用開発コースとほぼ同様で、以下の通りです。

 

対象労働者の増加人数

設置・設備費用

3~4人

5~9人

10~19人

20人以上

300万円~
1,000万円未満

75万円
(50万円)
120万円
(80万円)
225万円
(150万円)
450万円
(300万円)

1,000万円~
3,000万円未満

90万円
(120万円)
150万円
(100万円)
300万円
(200万円)
600万円
(400万円)

3,000万円~
5,000万円未満

135万円
(180万円)
225万円
(150万円)
450万円
(300万円)
900万円
(600万円)

5,000万円以上

180万円
(240万円)
300万円
(200万円)
600万円
(400万円)
1,200万円
(800万円)

※1 ( )は中小企業以外の初回~3回目の支給額および、中小企業の2~3回目の申請時の支給額

ただし、この特例は都市部(埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪)が対象外なためご注意ください。

4.令和6年能登半島地震に伴う特例

能登半島地震により被災した地域で雇用機会を確保するための特例です。能登6市町村(七尾市、輪島市、珠洲市、志賀町、穴水町、能登町)において、事業所の設置・整備を行い、従業員を雇い入れた場合に申請できます。なお、この特例措置を受けるためには、令和7年6月30日までに計画届を提出する必要があります。

受給額は以下の通りです。

 

対象労働者の増加人数

設置・設備費用

2人

3~4人

5~9人

10人以上

100万円以上

30万円50万円80万円100万円

300万円以上

60万円100万円160万円300万円

1,000万円以上

80万円120万円200万円400万円

3,000万円以上

120万円180万円300万円600万円

5,000万円以上

160万円240万円400万円800万円

この特例では、創業時でなくとも2人から、かつ経費が100万円以上なら助成金を受け取れるため、より小規模な事業であっても活用可能です。

地域雇用開発助成金を申請する3つのメリット

地域雇用開発助成金の申請には、以下の3つのメリットがあります。

  1. 初めてでも申請しやすい
  2. 最大3回まで受給できる
  3. 創業時なら初回のみ2倍の金額を受給できる

 

メリットの中には助成額を増やせるものもあるため、それぞれ見ていきましょう。

1.初めてでも申請しやすい

地域雇用開発助成金は、比較的申請しやすい助成金です。

通常、助成金の申請には「就業規則」の作成が必要になります。就業規則は法律に沿って作成したうえ、助成金の条件を満たすために整備しなければならず、専門家に依頼すると10万円以上経費がかかることも珍しくありません。

地域雇用開発助成金では、就業規則がなくとも申請可能なため、申請しやすい助成金といえます。ただし、契約書や明細書の写しが必要になるため、助成金を申請するなら書類は一括して保管しておきましょう。

2.地域雇用開発コースは最大3回まで受給できる

地域雇用開発コースは、1年ごとに、最大で3回まで受給可能です。

1回目は「経費の合計が300万円以上+従業員3名以上の雇用」という条件ですが、2~3回目は「1回目の完了日における従業員数が減っていないか」を見ます。

2~3回目の条件について、具体的には以下の通りです。

  • 被保険者数が、1回目の被保険者数以上である
  • 対象労働者数が維持されている※
  • 対象労働者数の半数を超え、かつ4人以上の対象労働者・補充者が離職していないこと
    ※やむを得ない事情で離職した場合は、補充者を4ヶ月以内に雇い入れていると維持されているとみなします

 

 

最大で3回、3年間にわたり受給できるため、従業員数の維持ができる場合は積極的に申請していきましょう。また、従業員が増えた場合は「地域雇用開発コース」の表に基づき受給額が増えます。

地域雇用開発コースの表を確認する

3.創業時なら初回のみ2倍の金額を受給できる

創業時であれば、初回のみ2倍の金額が受給できます。

さらに、従業員の最低雇用数が2人になります。つまり、最低2人のアルバイト(雇用保険加入者に限る)を雇って300万円の経費を使った場合、最低でも100万円が受給できます。

ただし、2回目・3回目の受給時には通常の額に戻ります。そのため、300万円かかった場合は最大でも1回目100万円+2回目・3回目各50万円=200万円の受給になるためご注意ください。

地域雇用開発助成金の申請の流れ

2回目の受給申請の際には、1回目の完了日時点での人数を参照します。そのため、1回目の申請に関連する書類はすぐに取り出せるよう保管しましょう。

比較する内容は以下の通りです。

  • 被保険者数の維持
  • 対象労働者数の維持
  • 対象労働者の定着

詳しい内容は「地域雇用開発助成金を申請する3つのメリット」の「2.最大3回まで受給できる」にて解説しておりますので、そちらをご覧ください。

2~3回目の支給要件を見てみる

地域雇用開発助成金を申請する時の5つの注意点

地域雇用開発助成金を申請する時は、以下の5つの点にご注意ください。

  1. 計画期間内に購入・契約等を行わなければならない
  2. 住居兼店舗は対象外になる
  3. 国や市区町村の補助金等を活用する場合は補助金を差し引いた額で計算する
  4. 1回目の支給決定前には実地調査が行われる
  5. 従業員の定着率が悪いと対象外になる可能性がある

 

どれも受給の可否に関わる注意点であるため、一つひとつぜひご確認ください。

1.計画期間内に支払いや受け取りを行わなければならない

地域雇用開発助成金は計画届を出し、計画期間内での経費などを計上します。

ここで注意が必要なのは、契約や工事完了は計画期間外でも問題ないことです。

例えば、計画書を提出する前に工事の契約を行い、工事が完了した場合や、賃貸契約を行った場合でも、計画書提出後に支払いを行っていれば算定対象になります。

物品については、計画書提出後に納品・引き渡しがあり、支払いを行う場合は算定対象になります。

反対に、計画期間外に支払ってしまったら算定対象外になってしまいます。その際、対象経費の合計額が300万円以上にならなかった場合は申請できないためご注意ください。

また、従業員については「計画開始日の前日と完了日を比較し、3名以上増加していること」が条件です。そのため、雇用も計画期間内に行う必要があります。

2.住居兼店舗は対象外になる

2階が住居、1階が店舗のように分ける場合は、残念ながら地域雇用開発助成金の対象外になります。

また老人ホームのように利用者の生活スペースを含む場合も対象外となりますが、老人ホームの事務所部分(事務所や従業員控室など)は対象になります。

3.国や市区町村の補助金等を活用する場合は補助金を差し引いた額で計算する

国や市区町村から出ている補助金等を活用する場合は、地域雇用開発助成金の算定金額から差し引きます。

例えば、以下の通りです。

  • 工事費用5,000万円 - 国の補助金1,000万円 = 算定対象費用4,000万円
  • 設備購入費用100万円 - 国の補助金 30万円 = 算定対象費用70万円

 

地域雇用開発助成金は、対象経費の合計額で受給金額が変わりますので、国や市区町村の補助金も申請予定の場合はご注意ください。

4.1回目の支給決定前には実地調査が行われる

1回目の支給決定前には実地調査が行われます。目的は工事・購入・賃借された不動産や物品の確認や、雇い入れた従業員の確認などを行うためであり、以下のような項目が確認されます。

実地調査の確認例確認内容
設置・設備について購入やリースなどを行った物品が存在するか
帳簿などの確認労働関係帳簿類(賃金台帳、出勤簿など)は適切に備え付けられているか
会計帳簿等は適切に備え付けられているか
雇い入れに関する確認ハローワークに求人は提出しているか
対象従業員は実際に勤務しているか

実地調査で確認できなかった物品については、経費算定の対象外になります。また、取引先や対象従業員に対して聞き取りが行われることもあるため、事前に可能性がある旨を伝達しておきましょう。

5.新卒の従業員雇用は雇用人数に制限がある

新卒採用を行う場合は、コースごとに条件があるためご注意ください。

  • 地域雇用開発コース:雇用人数の1/3まで
  • 沖縄若年者雇用促進コース:中途採用を3人以上雇い入れたうえで雇い入れること

※沖縄若年者雇用促進コースは中小企業主限定

 

地域雇用開発コースで従業員を雇用する際、新卒の方を従業員として雇用する場合、全体の1/3まででなければなりません。

例えば、従業員を3人雇い入れる場合は、1人のみ新卒採用で、残り2人は中途採用であれば申請できます。

反対に、従業員5人を雇い入れる場合で、2人が新卒採用、残り3人が中途採用の場合は2/5になり、1/3を超えてしまうため対象外です。

沖縄若年者雇用促進コースは条件がやや緩くなり、中小企業主であれば中途採用で35歳未満の従業員を3人以上雇い入れている際に、追加で複数人の新卒者を助成金の計算に算入可能です。

ただし、沖縄若年者雇用促進コースでは、沖縄県内に居住する新卒者か、元々沖縄県に住んでおり学業のため一時的に県外に居住しており、Uターン就職する新卒者に限られます。

学校からの紹介を受けて採用する場合、学校側が「地域雇用開発助成金の取扱いについての同意書」を労働局に提出している必要があるため、学校にご確認ください。

地域雇用開発助成金においてよくあるQ&A

ここでは地域雇用開発助成金でよくあるQ&Aについてまとめました。助成金申請に必要な細かな情報も掲載しておりますので、ぜひ申請前に参考にしてください。

Q.もらった助成金は返さなければいけない?

助成金は返還不要かつ、使い道が自由なお金です。従業員の給与に充てることも、設備にかかった費用を補填することもできます。

ただし、書類に偽りの内容があるなど、不正受給を行った場合は返還を求められるため、ご注意ください。

Q.設置・整備費用として認められないものはある?

地域雇用開発助成金の設置・設備費用は細かい定めがあるためご注意ください。具体的には、以下のような費用は認められません。

  • 各種税金(消費税を除く)
  • 各種保険料
  • 無形固定資産の取得費用(特許権、商標権など)
  • 賃貸借契約で賃料を得る施設・設備の費用(特別養護老人ホーム、有料老人ホームなど)
  • フランチャイズの加盟料、ロイヤリティの購入費

など

 

特に賃貸借での賃料などの収益を目的とした施設・設備は対象外になるため、介護業や不動産業の方はご注意ください。

Q.工事は知り合いの業者に頼んでもいい?

事業主と密接な関係者との取引は、算定対象にできません。密接な関係者とは、3親等以内の親族である、自社の子会社である、元社員や取締役が同じ別会社であるなどです。

反対に、業務上で知り合った会社やお得意先など、いわゆる身内でない関係であれば経費を算入できます。

ただし、知り合いで特別に費用を安くしてもらう場合でも、単価は最低でも20万円以上でなければ計上できない点にもご注意ください。

Q.助成金の対象従業員に条件はある?

地域雇用開発助成金の対象従業員は、以下の条件を全て満たしていなければなりません。

  • 雇入れ日の時点で地域に居住する求職者である
  • ハローワーク等の紹介で雇い入れられた求職者である
  • 雇入れ当初から、雇用保険の一般被保険者または高齢被保険者になる
  • 助成金受給後も継続して雇用される見込みである
  • 雇入れ後、設置・整備を行った事業所で働く
  • 過去3年間に事業主の事業所で働いたり、職場適応訓練をうけたりなどしていない
  • 過去1年間に関係する事業所で雇用されたことがない
  • 事業主と3親等以内の親族でない
  • 図書館、公園など公の施設の管理を行う従業員でない

 

また、上記以外にも管轄の労働局長が「地域の雇用構造の改善になると認められない」と判断した場合は対象外になります。

Q.対象地域が変わることはある?

対象地域は増えることもあれば減ることもあります。最新の対象地域は、厚生労働省の公式ページにより公開されますので、申請前には一度申請予定の地域が対象になっているかをご確認ください。

Q.他の助成金と同時に受給できる?

同時に受給できる助成金と、受給できない助成金があります。以下の助成金は同時に受給できないためご注意ください。

  • 雇用調整助成金(休業・教育訓練・出向)
  • 産業雇用安定助成金(災害特例人材確保支援コース)
  • 通年雇用助成金(新分野進出助成)
  • 人材確保等支援助成金(作業員宿舎等設置助成コース)

 

また、この他にも同じ設備に2つの助成金が活用できる状態になった場合などは、片方の助成金しか活用できない場合もあります。

【社長の顧問会員限定】地域雇用開発助成金のクリア条件達成率はどれくらいですか?

社長の顧問にご登録いただいている方は、マイページ内の「助成金・補助金」ページにてクリア条件達成率をご覧いただけます。

ページ下部にあるクリア条件を確認することで、クリア条件達成率がUPします。制度によっては弊社限定の「ボーナス特典」をご利用いただけるものもありますので、ぜひ内容をご確認ください。

マイページでクリア条件達成率をみてみる

※クリア条件達成率はあくまで受給の目安です、受給を確約するものではないためあらかじめご了承ください

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地域雇用開発助成金の対象地域一覧

キーボードのCtrl + Fを同時押しすると、右上に検索バーが表示されます。その中に事業を行う予定の市区町村、島名をご入力いただくとスムーズに検索可能です。

同意雇用開発促進地域一覧

都道府県市区町村
北海道函館市、北斗市、松前町、福島町、知内町、木古内町、七飯町、鹿部町、森町、八雲町、長万部町、江差町、上ノ国町、厚沢部町、乙部町、奥尻町、今金町、せたな町、江別市、北広島市、新篠津村
青森県むつ市、大間町、東通村、風間浦村、佐井村、五所川原市、つがる市、鰺ヶ沢町、深浦町、鶴田町、中泊町、黒石市、田舎館村
岩手県宮古市、山田町、岩泉町、田野畑村、久慈市、洋野町、野田村、普代村
宮城県白石市、角田市、蔵王町、七ヶ宿町、大河原町、村田町、柴田町、川崎町、丸森町
茨城県高萩市、北茨城市
山梨県市川三郷町、富士川町、早川町、身延町、南部町
京都府京田辺市、木津川市、井手町、笠置町、和束町、精華町、南山城村
兵庫県明石市、三木市
奈良県大和高田市、橿原市、御所市、香芝市、葛城市、高取町、明日香村、上牧町、王寺町、広陵町、河合町
広島県安芸太田町、北広島町、大竹市、廿日市市、府中市、神石高原町
徳島県吉野川市、阿波市、美馬市、つるぎ町
高知県土佐市、いの町、日高村、須崎市、仁淀川町、中土佐町、佐川町、越知町、梼原町、津野町、四万十町、香南市、香美市、宿毛市、土佐清水市、四万十市、大月町、黒潮町、三原村
福岡県行橋市、豊前市、苅田町、みやこ町、吉富町、上毛町、築上町、宗像市、古賀市、福津市、篠栗町、新宮町、久山町、粕屋町、糸島市、筑紫野市、春日市、大野城市、太宰府市、那珂川市
沖縄県

名護市、国頭村、大宜味村、東村、今帰仁村、本部町、伊江村、伊平屋村、伊是名村、うるま市、宜野湾市、沖縄市、恩納村、宜野座村、金武町、読谷村、嘉手納町、北谷町、北中城村、中城村、那覇市、浦添市、糸満市、豊見城市、南城市、西原町、八重瀬

町、与那原町、南風原町、久米島町、渡嘉敷村、座間味村、粟国村、渡名喜村、南大東村、北大東村

過疎等雇用改善地域一覧

都道府県1市区町村1都道府県2市区町村2
北海道函館市(旧亀田郡戸井町、旧亀田郡恵山町、旧亀田郡椴法華村、旧茅部郡南茅部町の区域)、夕張市、芦別市、赤平市、歌志内市、深川市、富良野市、石狩市(旧厚田郡厚田村、旧浜益郡浜益村の区域)、松前町、福島町、知内町、木古内町、鹿部町、森町、八雲町、長万部町、江差町、上ノ国町、厚沢部町、乙部町、奥尻町、今金町、せたな町、奈井江町、上砂川町、南富良野町、由仁町、長沼町、栗山町、新十津川町、妹背牛町、秩父別町、北竜町、沼田町、幌加内町、当麻町、比布町、愛別町、上川町、新得町、占冠村、幕別町(旧広尾郡忠類村の区域)、池田町、豊頃町、本別町、羽幌町(焼尻島、天売島の区域)、礼文町、利尻町、利尻富士町、上士幌町、大樹町、広尾町、足寄町、陸別町、浦幌町、厚岸町(小島の区域)大阪府能勢町、千早赤阪村
青森県五所川原市、むつ市(旧下北郡川内町、旧下北郡大畑町、旧下北郡脇野沢村の区域)鰺ケ沢町、深浦町、鶴田町、中泊町、風間浦村、佐井村兵庫県南あわじ市(沼島の区域)、宍粟市、たつの市(旧揖保郡新宮町の区域)、佐用町
岩手県宮古市、大船渡市、久慈市、遠野市、陸前高田市、釜石市、住田町、大槌町、山田町、岩泉町、田野畑村、普代村、野田村、洋野町奈良県高取町、明日香村
宮城県石巻市、塩竈市、気仙沼市、名取市、多賀城市、岩沼市、登米市(旧登米郡東和町、旧本吉郡津山町の区域)、東松島市、七ヶ宿町、川崎町、丸森町、亘理町、山元町、松島町、七ヶ浜町、利府町、大郷町、女川町、南三陸町和歌山県海南市(旧海草郡下津町の区域)、紀の川市(旧那賀郡粉河町、旧那賀郡那賀町、旧那賀郡桃山町の区域)、紀美野町
秋田県湯沢市、羽後町、東成瀬村島根県海士町、西ノ島町、知夫村、隠岐の島町
山形県酒田市(飛島の区域)岡山県備前市、赤磐市(旧赤坂郡吉井町、旧赤坂郡・磐梨郡赤坂町の区域)、和気町
福島県福島市、会津若松市、郡山市、いわき市、白河市、須賀川市、喜多方市、相馬市、二本松市、田村市、南相馬市、伊達市、本宮市、桑折町、国見町、川俣町、大玉村、鏡石町、天栄村、下郷町、檜枝岐村、只見町、南会津町、北塩原村、西会津町、磐梯町、猪苗代町、会津坂下町、湯川村、柳津町、三島町、金山町、昭和村、会津美里町、西郷村、泉崎村、中島村、矢吹町、棚倉町、矢祭町、塙町、鮫川村、石川町、玉川村、平田村、浅川町、古殿町、三春町、小野町、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、新地町、飯舘村広島県府中市、廿日市市(旧佐伯郡吉和村、旧佐伯郡宮島町、旧佐伯郡佐伯町の区域)、安芸太田町、北広島町、神石高原町
栃木県茂木町、塩谷町山口県下関市(蓋井島、六連島の区域)、萩市(見島、大島、櫃島、相島の区域)
群馬県桐生市(旧勢多郡黒保根村の区域)、みどり市(旧勢多郡東村の区域)徳島県阿南市(伊島の区域)、吉野川市(旧麻植郡山川町、旧麻植郡美郷村の区域)、阿波市(旧阿波郡市場町の区域)、美馬市、牟岐町(出羽島の区域)、つるぎ町
千葉県香取市(旧香取郡山田町の区域)、いすみ市(旧夷隅郡夷隅町の区域)、長南町、大多喜町香川県さぬき市(旧大川郡大川町の区域)、東かがわ市
東京都檜原村、奥多摩町、大島町、利島村、新島村、神津島村、三宅村、御蔵島村、八丈町、青ヶ島村愛媛県宇和島市(嘉島、戸島、日振島、竹ヶ島の区域)、八幡浜市(大島の区域)
神奈川県真鶴町高知県室戸市、安芸市、須崎市、宿毛市、土佐清水市、四万十市(旧幡多郡西土佐村の区域)、東洋町、奈半利町、田野町、安田町、北川村、馬路村、いの町、仁淀川町、中土佐町、越知町、檮原町、津野町、四万十町、大月町、三原村、黒潮町
新潟県粟島浦村福岡県北九州市(馬島、藍島の区域)、福岡市(玄界島、小呂島の区域)、宗像市(旧宗像郡大島村、地島の区域)、糸島市(姫島の区域)、新宮町(相島の区域)、香春町、添田町、みやこ町、上毛町、築上町
石川県輪島市、珠洲市、穴水町、能登町佐賀県唐津市(高島、神集島、小川島、加唐島、松島、馬渡島、向島の区域)
山梨県山梨市(旧東山梨郡牧丘町、旧東山梨郡三富村の区域)、甲州市、市川三郷町、富士川町(旧南巨摩郡鰍沢町の区域)、早川町、身延町、南部町長崎県長崎市(池島、高島の区域)、佐世保市(宇久島、寺島、高島、黒島の区域)、平戸市(大島、度島、高島の区域)、松浦市(黒島、青島飛島の区域)、壱岐市、西海市(江島、平島、松島の区域)、小値賀町(六島、野崎島、納島、小値賀島、黒島、大島、斑島の区域)
静岡県熱海市(初島の区域)、川根本町熊本県

八代市(旧八代郡坂本村、旧八代郡東陽村、旧八代郡泉村の区域)、上天草市(湯島、中島の区域)、天草市(横浦島、牧島、御所浦島

横島の区域)、氷川町(旧八代郡竜北町の区域)

愛知県西尾市(佐久島の区域)、南知多町(日間賀島、篠島の区域)大分県佐伯市(大入島、大島、屋形島、深島の区域)、津久見市(地無垢島、保戸島の区域)
三重県鳥羽市(神島、答志島、菅島、坂手島の区域)、志摩市(渡鹿野島の区域)、伊賀市(旧阿山郡島ケ原村、旧阿山郡阿山町、旧阿山郡大、山田村、旧名賀郡青山町の区域)宮崎県延岡市(島野浦島の区域)、日南市(大島の区域)、串間市(築島の区域)
滋賀県長浜市(旧伊香郡余呉町、旧伊香郡木之本町、旧伊香郡西浅井町の区域)、高島市(旧高島郡朽木村の区域)、東近江市(旧神崎郡永源寺町の区域)鹿児島県

出水市(桂島の区域)、西之表市、薩󠄀摩川内市(旧薩摩郡樋脇町、旧薩摩郡入来町、旧薩摩郡東郷町、旧薩摩郡祁答院町、旧薩摩郡、里村、旧薩摩郡上甑村、旧薩摩郡下甑村、旧薩摩郡鹿島村、上甑島、中甑島、下甑島の区域)、日置市(旧日置郡日吉町の区域)、いちき串木野市

三島村、十島村、さつま町、長島町(獅子島の区域)、中種子町、南種子町、屋久島町

京都府笠置町、和束町、南山城村  

特定有人国境離島地域等一覧

都道府県市区町村
北海道礼文島、利尻島
東京都三宅島、御蔵島、八丈島、青ヶ島、小笠原諸島
新潟県佐渡島
石川県舳倉島
島根県島後、中ノ島、西ノ島、知夫里島
山口県見島
長崎県対馬、海栗島、泊島、赤島、沖ノ島、島山島、壱岐島、若宮島、原島、長島、大島、宇久島、寺島、六島、野崎島、納島、小値賀島、黒島、大島、斑島、中通島、頭ヶ島、桐ノ小島、若松島、日島、有福島、漁生浦島、奈留島、前島、久賀島、蕨小島、椛島、福江島、赤島、黄島、黒島、島山島、嵯峨ノ島、江島、平島
鹿児島県上甑島、中甑島、下甑島、奄美群島、種子島、馬毛島、屋久島、口永良部島、竹島、硫黄島、黒島、口之島、中之島、諏訪之瀬島、平島、悪石島、小宝島、宝島

まとめ:対象地域で事業をするなら、積極的に申請して黒字化を早めよう

地域雇用開発助成金は、特定の地域で事業所の設置や整備を行い、従業員を雇用すると申請できます。

助成金を受け取りながら事業を進めることで、開始当初の負担額を少なく展開できます。黒字への転換も前倒しできるため、事業を安定させるためにも助成金は役立ちます。

対象になる地域の最新情報は厚生労働省のページに掲載されますので、申請前に一度ご確認ください。

この記事を監修した人

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東京都社会保険労務士会所属、特定社会保険労務士、愛媛大学卒業。一般企業でIPO等に携わった後、社会保険労務士に転身。 現在は、飯田橋・神楽坂社会保険労務士法人で労務相談や助成金の申請等に携わる傍ら、人事労務に関する記事の監修を多数行っています。

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