TOP arrow-right お役立ちコラム arrow-right 【IT導入補助金とは?】ITツールを導入し、社内業務をもっと便利に!もっと効率よく!

【IT導入補助金とは?】ITツールを導入し、社内業務をもっと便利に!もっと効率よく!

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IT導入補助金はITツールの導入を補助してくれる制度です。申請は自社だけでなく「導入支援事業者」と共にサポートを受けながら行うため、初めてでも申請しやすい特徴があります。 補助金には合否がありますが、2024年の平均採択率は80%以上と高いため、決済システムや管理システムなどの導入を検討されている方はチャンスです。 ただし、採択率が高いと言ってもポイントを押さえておかなければ不採択になってしまいます。本記事では、申請する時に必要な情報と採択率を上げるポイントを解説しますので、申請前にぜひご覧ください。 ※1 2024年12月時点で、第7回分の公募は終了しています。次回公募は未定です ※2 採択とは、補助金の合否のようなものです、採択されてはじめて補助金を受け取れる可能性が生まれます

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IT導入補助金はITツールの経費を補助し生産性向上を助ける制度

IT導入補助金は、ITツール導入に関する経費を補助してくれる制度です。

あらかじめ登録されたITツールから、自社に合うものを選び導入することになります。自社だけでなくIT導入補助者(ベンダー)と共に申請する補助金であり、アドバイスを受けながら申請できる特徴を持ちます。

ただし、申請のためには事前準備が必要です。具体的には以下の3つの準備が必要になるため、それぞれ見ていきましょう。

  1. GビズIDプライムアカウントの取得
  2. 「SECURITY ACTION」の宣言
  3. みらデジ経営チェックで現状のチェック

1.GビズIDプライムアカウントの取得

IT導入補助金の申請は電子申請でしかできません。電子申請には、GビズIDプライムアカウントが必要になります。

GビズIDプライムアカウントは、取得まで2〜3週間かかることが多いです。ただし、代表者のマイナンバーカードと、NFC読み取り機能付きのスマートフォンがある場合はオンライン申請が可能であり、最短即日発行されます。

2.「SECURITY ACTION」の宣言

SECURITY ACTION(以下セキュリティアクション)とは、中小企業自らが情報セキュリティ対策に取り組む宣言制度です。

取り組む内容は、「一つ星」「二つ星」と内容によって2段階に分かれており、IT導入補助金を申請するためには「一つ星」以上の宣言が必要です。

「一つ星」は取り組むことを宣言することで取得できますが、「二つ星」はセキュリティ自己診断を行い、基本方針を定め外部に公開する必要があります。

参考:IPA「SECURITY ACTION

3.みらデジ経営チェックで現状のチェック

みらデジ経営チェックとは、自社の経営課題やデジタル化への課題をチェックする自己診断プログラムです。同地域、同業種の他社と比較することで、自社にとって何が不足しているかを明確化できます。

「みらデジ経営チェック」は、後述する「通常枠」を申請する際には必須となります。他の枠を申請するとしても、採択時にプラスになるため、事前に行っておくことがおすすめです。

以下の5つの設問項目に回答することで簡単に診断できるため、情報をまとめた上で行ってみましょう。

  1. 経営者としての夢・ビジョンについて
  2. 経営上の課題について
  3. ITツール・デジタルサービスについて
  4. 経営やデジタル化に対する取り組み状況や意識について
  5. 経営課題への解決方向について

参考:みらデジ「みらデジ経営チェック

補助対象になる企業の条件は?対象外になる条件もチェック

IT導入補助金を申請する場合、企業分類や申請のために作成する事業計画など、補助対象となる条件があります。

自社が補助対象となるのか、申請前にしっかりと確認しておきましょう。

補助対象となる企業分類の条件

IT導入補助金は、中小企業と小規模事業者等が申請できます。

また、以下のような法人等も対象になります。

業種分類定義
医療法人、社会福祉法人常時使用する従業員数が300人以下
学校法人常時使用する従業員数が200人以下
商工会・都道府県連合会および商工会議所常時使用する従業員数が100人以下
中小企業支援法第2条第1項第4号に規定される中小企業団体通常の業種分類と同様
特別の法律によって設立された組合またはその連合会通常の業種分類と同様
財団法人、社団法人通常の業種分類と同様
特別非営利活動法人通常の業種分類と同様

補助対象となる事業計画の条件

補助金の申請には、3年間の事業計画が必要で、以下の条件を満たす必要があります。

  • 1年後に、労働生産性を3%以上向上させる
  • 事業計画の期間内に、労働生産性を年平均成長率3%以上向上させる
  • 生産性向上の目標が実現可能かつ合理的であること

労働生産性とは、従業員1人あたりの付加価値額(企業の生産活動で生み出された価値を表す)で、以下の式によって求められます。

労働生産性(円)=付加価値額(=営業利益+人件費+減価償却費)/従業員数

対象外になる企業

上記で解説した条件をクリアしていても、対象外になる企業があります。IT導入補助金では、以下のような企業が受給対象外になります。

  • 過去1年間で、労働関係法令違反で送検処分を受けている事業者
  • 宗教法人
  • 法人格のない任意団体(例:同窓会、PTA、サークル等)
  • 大企業・みなし大企業

IT導入補助金2024は5つの枠がある

2024年公募のIT導入補助金には5つの枠があります。

  1. 通常枠
  2. インボイス枠(インボイス対応類型)
  3. インボイス枠(電子取引類型)
  4. セキュリティ対策推進枠
  5. 複数社連携IT導入枠

 

通常のITツールを導入したい方は「通常枠」を、インボイス制度にも対応したい方は「インボイス枠(インボイス対応類型)」をご覧ください。

自社の情報セキュリティを向上させたい方には「セキュリティ対策推進枠」をご覧いただければと存じます。

※IT導入補助金は2025年の公募が確定していますが、細部枠やスケジュールは不明です。ここでの情報はあくまで2024年の参考としてご覧ください。

1.通常枠

通常枠は、IT導入補助金の中で最もスタンダードな申請枠です。対象になる経費の種類が多い分やや複雑化しているので、紐解いていきましょう。

まずは全体像を理解するため以下の表をご覧ください。

対象経費大分類Ⅰ:ソフトウェア購入費(必須)
大分類Ⅱ・Ⅲ:導入関連費(任意)
補助率1/2
補助下限額~上限額1プロセス:5万円~150万円
4プロセス:150万円~450万円
(4プロセスは賃上げ目標が必須)

この表のポイントは以下の2点です。

  • 対象経費は大分類Ⅰ~Ⅲに分けられる
  • プロセスの数により下限〜上限額が変わる。

次に、大分類Ⅰ〜Ⅲと、プロセスについてそれぞれ解説します。

ポイント1.大分類Ⅰ〜Ⅲとは?

ITツールは大分類Ⅰ〜Ⅲに分けられています。また、それぞれの分類はカテゴリーで以下の表のように細分化されています。

大分類Ⅰ:ソフトウェア
必須
カテゴリー1:ソフトウェア
大分類Ⅱ:オプション
(任意)
カテゴリー2:機能拡張
カテゴリー3:データ連携ツール
カテゴリー4:セキュリティ
大分類Ⅲ:役務
(任意)
カテゴリー5:導入コンサルティング
カテゴリー6:導入設定・マニュアル作成・導入研修
カテゴリー7:保守サポート

IT導入補助金の通常枠を活用するためには、必ず大分類Ⅰ「ソフトウェア」を導入しなければなりません。その後、大分類Ⅱ「オプション」大分類Ⅲ「役務」から導入する内容を選ぶことができます。

ポイント2.プロセスとは?

プロセスとは、ITツールの導入でどこの課題を解決したいかの分類分けです。プロセスには「共通」「業種特化型」「汎用」の3つがあり、それぞれ以下のように異なります。

種別プロセス名具体例
共通プロセス顧客対応・販売支援営業支援システム、顧客管理システム、無人受付など
共通プロセス決済・債権債務・資金回収POSレジ、券売機、発注・仕入管理など
共通プロセス供給・在庫・物流取引条件管理、ロケーション管理、入出庫管理、在庫分析など
共通プロセス会計・財務・経営経費精算システム、税務申告書作成ソフトなど
共通プロセス総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情報システム予算統制、資金繰り計画、仕分け、管理会計、経営分析など
業種特化型プロセス業種固有プロセスCAD、オンライン診療システム、セルフオーダーシステムなど
汎用プロセス汎用・自動化・分析ツールofficeなどのソフト、OCR・PDF化ツール、Web会議システムなど

このプロセスは、ITツールを検索する時のチェックボックスにもなっています。

まずは、共通プロセスで解決したい問題はないかを見て、業種独自の悩みの場合業種特化型プロセスを確認しましょう。最後に、汎用プロセスでより効率化できないかを見ていきます。

この7つのプロセスのなかから、4つ以上のプロセスをもつソフトウェアを申請することで、補助額の増額が可能です。ただし上記で記載したように、賃上げも同時に行う必要がある点に注意が必要です。

2.インボイス枠(インボイス対応類型)

インボイス対応類型は、インボイス登録を行い、適格請求書発行などの機能を有したソフトウェアを導入する際に申請できる制度です。

特にインボイス対応が必要で、インボイス対応ができるレジシステムや会計システムなどを導入したい時には活用しやすい枠で、2024年では最も人気のある枠でした。

対象経費ソフトウェア購入費、導入関連費、ハードウェア購入費
補助率2/3~4/5
※ハードウェアの購入は1/2
補助下限額~上限額ソフトウェア購入費・導入関連費:下限なし~350万円
PC・タブレット等:下限なし~10万円
レジ・券売機等:下限なし~20万円

インボイス対応に関するソフトを導入する際にはPC・タブレット等も対象になるため、古いパソコンでソフトが動かないといった問題も解決できます。

3.インボイス枠(電子取引類型)

電子取引類型は、インボイス登録のために、取引を電子化する際に申請できる制度です。

この枠は単に自社のインボイス対応だけでなく、取引先にもインボイス対応をしてもらうことが条件です。

例えば、中小企業や小規模事業者などの得意先が、捻出する経費がなくインボイス対応をしていなかったとします。その得意先に対し、受発注システムのアカウントを無償で供与して、自社の取引についてはインボイス対応したシステムを使えるようにする際に申請できます。

対象経費クラウド利用費
補助率中小企業・小規模事業者等:2/3
その他の事業者等:1/2
補助下限額~上限額下限なし~350万円

電子取引類型は、あくまでもクラウド利用費が対象です。買い切りのソフトやレジなどのハードはインボイス対応類型での申請になるためご注意ください。

4.セキュリティ対策推進枠

セキュリティ対策推進枠は、自社の情報セキュリティを向上させるサービスの導入に対し、補助される枠です。

ただし、どのサービスでも対象になるわけではなく、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公表する「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」内のサービスのみが対象です。

対象経費サービス利用料(最大2年分)
補助率1/2
補助下限額~上限額5万円~100万円

不具合が発見された時の対応に現地まで駆け付けてくれるサービスなど、パッケージにより内容は様々です。

5.複数社連携IT導入枠

複数社連携IT導入枠は、条件が他の枠と全く異なります。1社だけでなく、複数社がグループになり申請する枠であり、対象経費の種類に分析経費や事務費があるなど範囲が広くなっています。

対象経費基盤導入経費、消費動向分析経費、
補助事業グループのとりまとめ事務費
補助率2/3~4/5
補助上限額3,000万円

他の枠に比べて仕組みが複雑なため、別記事で詳しく解説予定です。複数社での申請をお考えの方はぜひ情報をお待ちください。

【ベンダーと共同申請】IT導入補助金の申請の方法と流れ

IT導入補助金は「補助事業者(以下貴社)」と「IT導入補助事業者(以下ベンダー)」が共同で申請を行います。申請方法としては、片方が記載したものを相手に渡し確認するキャッチボールのような形式です。

具体的には、以下の流れで申請を行います。

  1. 事前準備を行う
  2. 自社の課題を明確にし、申請する枠と課題に合うITツールを選定する
  3. ベンダーに連絡し商談を進める
  4. ITツールのベンダーから招待を受け、申請マイページに貴社の情報を入力する
  5. ベンダーとともに書類を作成し入力する
  6. 貴社が確認を行い、問題がなければ事務局へ交付申請を提出する

申請の流れでポイントになる部分を見ていきましょう。

1.事前準備を行う

まずは事前準備を行います。

  • GビズIDプライムの取得
  • セキュリティアクションの宣言
  • みらデジ経営チェックで現状のチェック

それぞれの事前準備の詳細は、上記「IT導入補助金はITツールの経費を補助し生産性向上を助ける制度」にて解説しておりますので、再度詳しく知りたい方は、ぜひそちらをご覧ください。

IT導入補助金はITツールの経費を補助し生産性向上を助ける制度を見てみる

2.自社の課題を明確にし、申請する枠と導入するITツール・ベンダーを選定する

まず、ITツールの導入でどういった課題を解決したいのかを明確にします。検索時にはそれぞれの枠と、課題に関するチェックボックスが用意されており、そのチェックボックスを利用することでITツールを絞り込むことができます。

引用:ITツール・IT導入支援事業者検索(コンソーシアム含む)

また、導入したいITツールが明確に決まっている場合はツール名で検索も可能です。

ITツールとベンダーは紐づいており、片方ずつ選ぶといったことはできません。

3.ベンダーに連絡し商談を進める

導入するITツールが決まったら、そのITツールを掲載しているベンダーに問い合わせを行います。ベンダーの連絡先は「IT導入支援事業者」の欄にリンクが用意されており、電話やメールで問い合わせを行うことになります。

商談を進め、実際にIT導入補助金を申請する段階まで行くと、ベンターから招待メールが届きます。

4~6.ベンダーから招待メールを受け取り申請を進める

ベンダーからの招待メールを受け取ると、IT導入補助金のサイトページにある「申請マイページ」にログインできるようになります。この時、GビズIDプライムも必要になるため事前にログイン情報をまとめておきましょう。

この後の申請は申請マイページ上で行います。ベンダーのサポートを受けながら書類作成・入力を行い、交付申請提出まで済めば採択を待つのみです。

【平均80%以上!】IT導入補助金の採択率と審査項目・採択のポイント

IT導入補助金の2024年4月〜10月における採択率は以下の通りです。

※2024年に採択結果の発表があったもののみ抜粋

枠名平均採択率応募総数
通常枠80.68%19,180
インボイス枠(インボイス対応類型)93.75%34,680
参考:交付決定事業者一覧 | IT導入補助金2024を基に作成

この数値は他の補助金と比べても非常に高いといえます。

しかし、全ての企業が採択されるわけではありません。いくら採択率が高いといっても、審査項目をおさえておかなければ不採択になってしまいます。

そこで、特に人気な「通常枠」と「インボイス枠(インボイス対応類型)」のそれぞれの審査ポイントを見ていきましょう。

通常枠の審査項目

審査項目審査事項
事業面からの審査項目
(事業面の具体的な審査)
自社の経営課題を理解し、経営改善に向けた具体的な問題意識を持っているか

自社の状況や課題分析および将来計画に対し、
「ITツール」の機能によりどういった部分が改善されるか、改善される部分は計画に沿ったものか

内部プロセスの高度化、効率化、およびデータ連携による社内横断的なデータ共有・分析等を取り入れ、継続的な生産性向上と事業の成長に取り組んでいるか
計画目標値の審査労働生産性の向上
政策面からの審査項目生産性の向上および働き方改革を視野に入れ、
国の推進する関連事業に取り組んでいるか

国の推進するセキュリティサービスを選定しているか

賃上げに取り組んでいるか

通常枠ではプロセスの部分がポイントになります。導入するITツールが自社の課題のどういった部分を解決し得るか、結果としてどのように生産性を向上させるかを明確にする必要があります。

インボイス枠(インボイス対応類型)の審査項目

審査項目審査事項
事業面からの審査項目自社がインボイスに対応できかつ、生産性向上にも繋がるITツールか

自社の経営課題を理解し、経営改善に向けた具体的な問題意識を持っているか
政策面からの審査項目通常枠と共通

インボイス対応類型は、生産性向上だけでなく、インボイス制度に対応できるようになる必要があります。インボイス登録を行い発生する本来の会計業務と、ITツールによりどのように圧縮し、生産性向上に繋げられるかなどをシミュレートして書類に落とし込みましょう。

採択率をさらに上げる!IT導入補助金の「加点項目」

IT導入補助金には、条件を満たすことで採択に有利にはたらく「加点項目」があります。

ここでは、通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型)に共通する加点項目と、それぞれの個別の加点項目を見ていきましょう。

共通する加点項目

  1. 補助金申請額150万円未満の申請者で、事業計画期間において以下の全てを満たす3年の事業計画である
    1. 事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上にする。
    2. 取り組みの期間内において、給与支給総額と年平均成長率1.5%以上向上させる

※なお、IT導入補助金2024から、賃金引上げ目標が未達だった場合に対して、ペナルティが明記されたので、注意が必要です。
 具体的には、賃金引上げが未達であったと報告があってから、18ヶ月間は、IT導入補助金を含めた中小企業庁所管の全補助金の審査において、減点措置がなされるというものです。

  1. 介護保険法に基づくサービスを提供する事業所で、介護職員等特定処遇改善加算を取得している
  2. 導入するITツールとして「サイバーセキュリティお助け隊サービス」を選定している

 

また、以下のような制度等の承認・認定を受けている場合は加点項目として有利にはたらきます。

  • 「地域経済牽引事業計画」の承認を取得している
  • 交付申請時に「地域未来牽引企業」に選定されており目標を経済産業省に提出している
  • 令和5年度に「健康経営優良法人2024」に認定されている
  • 「地域DX促進活動支援事業」における支援コミュニティ・コンソーシアムから支援を受けている
  • 応募申請時点で「えるぼし認定」または「プラチナえるぼし認定」を受けている
  • 応募申請時点で「くるみん認定」「トライくるみん認定」「プラチナくるみん認定」のいずれかを受けている

通常枠の加点項目

  • 導入するITツールとして「クラウド製品」を選定していること
  • 導入するITツールとして「インボイス制度対応製品」を選定していること

 

通常枠では、導入するITツールがクラウド製品であるだけで加点されます。クラウド製品を導入すると勤怠管理や決済管理、在庫管理などがPC・タブレット・スマホ上でスムーズに行えるようになります。

ただし、クラウド製品は年間契約での更新が必要なものが多い点にご注意ください。IT導入補助金で対象になるのは最大2年間の契約費用です。

また、インボイス登録を済ませた後であっても「インボイス制度対応製品」を導入すると加点されるため、POSレジや決済ソフトを導入する際は積極的に検討しましょう。

引用:ITツール・IT導入支援事業者検索(コンソーシアム含む)

加点要件の対象になるクラウド対応製品や、インボイス制度対応製品は検索画面の下部のボックスにチェックを入れると対象製品を検索できます。

インボイス枠(インボイス対応類型)の加点項目

  • みらデジ経営チェックを交付申請前に行っている

「みらデジ経営チェック」はIT導入補助金を申請する時には必ず行わなければなりません。インボイス対応類型では、行う時期を早めるだけで採択されやすくなるため、交付申請前に行うことをおすすめします。

ITツール導入により効率化に成功!参考事例から学ぶ

事例は過去の公募のものです。現在の公募内容とは条件が異なる可能性があるため、あくまでも参考としてご覧ください。

事例1:ITツールの導入により人手不足を解消

まずはカフェの事例です。このカフェでは、人手不足と、回転率の悪さが課題だったことから、セルフオーダーシステムを導入しました。

このシステムは注文だけでなく、支払いも対応可能で、回転率向上に繋がっています。システムの導入前と比較すると、売上が40%も向上したとのことです。

レジ対応の時間も削減でき、削減した時間は新商品の開発に充てるなどさらなる売上向上に向けた取り組みを行っています。

事例2:勤怠管理ソフトの導入により移動・残業時間を削減

次に建設業での事例です。この会社の課題は勤怠管理の手間であり、タイムカードを使用していたため事務所内でしか手続きができない課題を抱えていました。

たとえ工事現場に直行できる日だったとしても、以下の流れで出退勤手続きをしなければなりません。

  1. 一度事務所に出社しタイムカードを打刻する
  2. 現場に移動し、現場作業を行う
  3. 現場作業終了後、事務所に戻り退勤のタイムカードを打刻する

 

事務所への移動時間が残業時間になっており、人件費と従業員の負担が増加していたとのことです。

そこで勤怠管理ツールを導入し、従業員は現場への直行・直帰を可能にしています。この会社ではツールの導入だけでなく、就業規則も改定し働き方改革に挑戦したことで、結果として残業時間が1/3まで削減できました。

ちなみに、このように、働き方改革もあわせて行う場合は、IT導入補助金と同時に働き方改革推進支援助成金も申請できる可能性があります。働き方改革推進支援助成金について詳しくは以下の記事で解説しておりますので、あわせてご覧ください。

参考:働き方改革推進支援助成金をわかりやすく解説!問題を解決した5つの事例も紹介

事例3:インボイス対応とあわせて会計ソフトを導入

最後に小売業での事例です。この会社では、会計業務を税理士に依頼しており、リアルタイムでの財務状況を把握できないことが課題でした。また、インボイス制度への対応も迫られていたとのことです。

そこで、インボイスに対応した会計ソフトを導入し財務状況を可視化、意思決定者が財務状況を確認できるようになっています。

財務状況を細かく把握できるようになったことから、新たな施策を打ち出し、売上アップに繋がっています。

IT導入補助金を申請する時の注意点5つを解説

IT導入補助金を申請するには、以下の5点に注意しましょう。

  1. 抜き打ち検査で判明!約8%の案件が不正受給
  2. PC・タブレット等単体の申請は認められない
  3. 開業1年目は申請できない
  4. 補助金は遅れて入金されるので資金繰りに注意が必要
  5. ECサイト・ホームページ作成の費用は2024年から対象外になった

注意点をおさえておかなければ、受給できないだけでなく最悪の場合違反行為になってしまうこともあります。申請前には必ずおさえておきたい注意点をピックアップしたのでぜひご覧ください。

1.抜き打ち検査で判明!約8%の案件が不正受給

2020〜2022年度の期間中、約8%の案件が不正受給だったというニュースがあります。報じられた内容によると、ベンダー側が原因で不正受給に至ったケースもあるとのことです。

具体的には、キャッシュバックやポイント10倍還元など、負担額を減額または無償とすることでベンダーとして選んでもらうような取り組みを行い申請者を獲得していました。このような取り組みは、違反行為になり受給取り消しになります。

ベンダー選びは自己責任で慎重に行いましょう。

「補助金を受け取りながら、実質無料で製品をご提供できます!」このような謳い文句は不正受給の可能性が高いため、特に注意が必要です。

また、申請と同時に自社商品を抱き合わせ販売する業者も見受けられるため、ベンダー選びの際はその会社が信用できる会社か一度調べておきましょう。

2.PC・タブレット等単体の申請は認められない

PC・タブレット等の単体購入は、対象経費として認められません。

2024年の公募では、「インボイス(インボイス対応類型)」「複数社連携IT導入枠」のみPC・タブレットを対象にでき、なおかつインボイス制度に対応する時のみ申請可能です。

具体的には、インボイス制度のため会計・受発注・決済の機能を持つソフトウェアを使うため、PCやタブレットを導入するなら対象になるというケースのみ対象になります。

PC・タブレットの導入をメインとしての活用は難しい補助金である点にご注意ください。

3.開業1年目は申請できない

原則、開業1年目は申請できません。理由はIT導入補助金の申請時に「納税証明書」の提出が必要なためです。

納税証明書は自動で送られてくるものではなく、事業者が申請し発行してもらわなければなりません。申請できるのは納税後になるため開業してすぐは取得できないことになります。

ただし、開業1年目まるまる申請できないわけではなく、確定申告後に税金を納付すれば納税証明書が取得できるようになり、IT導入補助金を申請できます。

開業間もない状況で補助金を活用したいのであれば「小規模事業者持続化補助金」が選択肢の一つです。詳しくは以下の記事で解説しておりますので、あわせてご覧ください。

参考:小規模事業者持続化補助金で販路開拓!競合と差をつける「政策加点」も解説

4.補助金は遅れて入金されるので資金繰りに注意が必要

補助金は後払いな点にご注意ください。例えば、IT導入補助金の通常枠では1/2まで購入費等が補助されますが、一旦全額を自社で支払い、その後振り込まれる流れになります。

実質的に半額だから、と高額な商品を見ると資金ショートに繋がる危険性があります。あくまでも自社で支払える範囲内のITツールを導入するようご注意ください。

また、採択結果が出るまでには時間がかかります。そのため、ITツールを実際に導入できるタイミングもかなり遅くなります。ただ裏を返せば、仮にIT導入補助金が不採択になった場合、導入そのものを見送ることも可能です。

金額と時間に余裕を持った計画・申請をおすすめします。

5.ECサイト・ホームページ作成の費用は2024年から対象外

昔のIT導入補助金ではECサイトやホームページの作成が対象でした。しかしながら、2024年の公募から対象外になり、今後も対象になるかは不明です。

インターネット上で情報収集を行う際は、古い情報が記載されていることもありますのでご注意ください。

社内業務をもっと効率化させたい!他の補助金も同時に申請していいの?

IT導入補助金と他の補助金を同時に申請することは可能ですが、重要な注意点があります。それは「同じ取り組みを対象としていないこと」です。

例えば、IT導入補助金でITツールを導入し、別の補助金でも同じITツールを対象にして申請しダブルで受給することはできません。

しかし、IT導入補助金とは異なる取り組みを対象とする場合は申請が可能です。

例えば、IT導入補助金でITツールを導入し、全く別の機械設備をものづくり補助金で導入するといった場合は、それぞれ受給できる可能性があります。

2つ以上の補助金等を同時申請するなら「社長の顧問」

2つ以上の補助金を同時に申請するのは大変です。そもそも両方受給できるのか、それぞれの受給要件の確認や必要書類の収集など多くの知識が必要になります。

事業を行いながら複雑な補助金の情報を集めるのは困難です。そんな時は、私たち社長の顧問にご相談ください。

社長の顧問では補助金だけでなく助成金の最新情報も収集しており、貴社の状況にあわせて受給できる可能性があるもののみをご提案いたします。また、申請時にはお手間を減らせるよう、詳しい専門家とのマッチングも可能です。

もちろんIT導入補助金の申請についても、申請サポートを行っています。補助対象外かどうかも知ることができるため、ぜひご相談ください。

まとめ:企業が抱えるそれぞれの課題を、ITツールを導入することで解決に導く!

IT導入補助金は、ITツールの導入を行う際に申請できる制度です。採択されると実質半額でITツールを導入できるため、公募時はチャンスです。

補助金の中でも比較的採択率が高く、受給しやすい補助金です。一方で、不正受給も多く見受けられます。知らず知らずのうちに不正受給に繋がってしまわないようベンダー選びは慎重に行いましょう。

ベンダー選びに成功すると、適切なサポートを受けながらスムーズに申請できるようになります。この機会に、ITツールをお得に導入しませんか?

この記事を監修した人

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愛知県社会保険労務士会所属。 大学卒業後、飲料メーカー営業職、地方公務員、飲食チェーンマネージャー職等を経て、令和3年よりReメンバー労務オフィスを開業。 開業社労士として従事する傍ら、資格予備校講師としても活動中。 また、人事・労務関連記事の監修・執筆も多数行っています。

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